IT・コンピュータ

デジタル機器によるメンタルヘルスへの影響

デジタルストレスの概要

近年、デジタル機器の利用が普及し、日常生活に欠かせないものとなっているが、長時間の利用による眼精疲労や頭痛、不眠症のほか、社会的な孤立感やコミュニケーション能力の低下、情報過多や情報不足によるストレスなど、身体・精神への悪影響が懸念されている。

スマートフォンやパソコンなどの ブルーライトがメラトニンの分泌を抑制 し、睡眠の質を悪化させることが報告 されているほか、スマートフォンへの依存によって脳に異常をきたし、記憶力や意欲が低下することも指摘されている、

The goldfish effect ( 金魚効果 )

Microsoft は 2000年に 12秒あった人間の集中力 ( Attention Span ) が 2013年には 8 秒まで低下していることを発見し、金魚よりも 1 秒低くなったため The goldfish effect と呼ばれている。
この低下の原因はスマートフォンやソーシャルメディアなどの影響と考えられており、記憶や学習に支障をきたし、不安やストレスを引き起こす可能性が懸念されている。

ネット依存症

ネット依存症はインターネットの使用が日常生活や健康に支障をきたすほど過剰になっている状態で、ストレス・不安・孤独感などの心理的要因のほか、環境的要因が原因とされており、主にオンラインゲームやソーシャルネットワークサービス、インターネットオークションの利用者に多く、ADHD(注意欠陥・多動性障害)・認知症・記憶障害・うつ病・コミュニケーション障害など、さまざまな健康問題を引き起こす可能性がある。

オーバーフロー脳

人間の脳は同時に処理できる情報量に限界があり、スマートフォンから絶えず膨大な情報が入り、情報過多・情報爆発によって処理が追いつかなくなると、前頭葉の血流が減少してストレスや不安、疲労、注意力欠如などの症状を引き起こすオーバーフロー脳(Overflow Brain)と呼ばれる脳の過負荷状態に陥ることが指摘されており、現代社会において重要な問題となっている。

デジタルデトックス恐怖症

デジタルデトックス恐怖症はデジタルデバイスやインターネットから離れることによって、情報やコミュニケーションの喪失によるストレスや不安を感じる状態で、ネット依存症に似ているが、ネット依存症は日常に支障をきたすレベルでネットに依存するのに対し、デジタルデトックス恐怖症はデジタル機器を手放すことに対する異常な恐怖心を指している。

FOMO

FOMO(Fear of missing out)は「 自分が知らない間に楽しいことが起こっているのではないか 」という不安を指す言葉で、ソーシャルメディアで友人の投稿が気になって SNS依存症 の原因になり、FOMOには他人が自分よりも充実した生活を送っているという自己嫌悪の感情があるため メンタルヘルス にネガティブに作用する。

対処法

利便性のみを追求したデジタル機器への依存は、人間本来の能力が退化するようなもので、依存度が高まるほど心身への影響も大きいため、デジタル機器やインターネットから離れるデジタルデトックスが最も効果的で、紙ノートを使用するなどのアナログな学習方法で脳が働くといった研究結果もでている。