リアディレイラー
リアディレイラーは頻繁に取り替えるようなパーツではないが、チェーンやワイヤーの消耗や経年劣化が原因で ギアチェンジに支障をきたすため、定期的な調整が必要。
フロントディレイラーとリアディレイラーを同時に換装する場合は、フロントディレイラーを取り外す前にリアディレイラーを換装する。
使用工具
- チェーンカッター
チェーンの切断・結合に使用。 - ミッシングリンクリムーバー
チェーンをミッシングリンクで繋いでいる場合に使用。 - アーレンキー
ディレイラーやシフターの取り外し・取り付けなどに使用。 - トルクレンチセット
締め付けトルクの調整に必要。 - ワイヤーカッター
シフトワイヤーやアウターケーブルのカットに使用。 - 万能グリス
シフトワイヤーなどのグリスアップに使用。
リアディレイラーの換装
リアディレイラーを換装する場合はチェーンやタイヤを取り外しが必要。
- チェーンの切断とリアタイヤの取り外し
チェーンカッターやミッシングリムーバーでチェーンを切断し、リアタイヤを取り外す。 - シフトワイヤーを外す
リアディレイラーの固定されているシフトワイヤーを外す。
シフトワイヤー には エンドキャップ が付いているので、取り外すかワイヤーを切断する。 - リアディレイラーを外す
リアディレイラーはボルト 1本で固定されている。
チェーンの取り外しやミッシングリンクについては 自転車のチェーン交換 を参照。
- リアディレイラーを固定する
リアディレイラー を指定のトルクで取り付ける。(シマノ の場合は締め付けトルク 8 – 10 N-m ) - リアディレイラーにチェーンを通す
リアタイヤを取り付けてから、チェーンが逆S字になるように、スプロケットからガイドプーリー(上)の右側(フロント側)を通し、そこからテンションプーリー(下) の左側(リア側)を通す。 - プーリーが垂直になる位置でチェーンをつなぐ
フロントのギアをアウター 、リアをトップ(フロント・リアともに一番外側のギア)にチェーンをかけ、ガイドプーリーとテンションプーリーが地面に対して垂直になる位置(上図はチェーンを引っ張りすぎて テンションプーリーがフロント寄りになっている)でチェーンをつなぐ。
リアディレイラーの調整
リアディレイラーを換装した場合はシフトワイヤーを通し、調整のみを行う場合はシフトワイヤーを固定しているボルトを緩める。
- シフトワイヤーを張っていない状態にする
シフトワイヤーを張っていない状態でクランクを回し、トップギア(一番外側のギア)に入るのを確認。 - トップ側をディレイラーの Highボルトで調整
ディレイラーの Highと表示されている調整ボルトは、右に回すとプーリーが内側に、左に回すとプーリーが外側に動く。 - ガイドプーリーの位置を調整
ガイドプーリーの中央がトップギアの外側にくるようボルトで調整。
本来はロー側の調整を行ってからワイヤーを固定するのが正しい手順だが、ディレイラーを手で移動させるのが難しい場合は 、トップ側の調整が完了してから、シフターをトップに入れた状態でワイヤーを通す溝に沿わせて シフトワイヤーを固定する。
ワイヤーの張りは弛みがない程度で十分 で、一度ワイヤーを固定した後 シフトレバー で何度か変速を行って弛みを取る。
- ロー側をディレイラーの Lowボルトで調整
ディレイラーの Lowと表示されている調整ボルトは、右に回すと外側(トップ側)、左に回すと内側(ホイール側)にプーリーが移動するので、プーリーとローギアの中心線が合うように調整。 - シフトワイヤーの張りを調整
ワイヤーが張りすぎているとローギアに入らなかったり、弛んでいると 1速飛んだりするので、ローからトップまで全てのギアに入るようワイヤーの張りを調整する。 - アジャスターボルトで微調整
リアディレイラーにアジャスターボルトが付いている場合は、辛うじて全てのギアに入るようになればアジャスターボルトで微調整できる。
シフトレバーの取り外しと取り付け(リア側)
シフトレバー換装時はリアディレイラーの調整が必要になる。
シフトレバーを換装する場合、アウターケーブルは付属していないことが多いので、既存のアウターケーブルを再利用するか、新たにシフト用のアウターケーブルを用意する。
- リアディレイラーのシフトワイヤーを外す
リアディレイラー に固定されているシフトワイヤーを外す。
シフトワイヤー にはエンドキャップが付いているので 取り外すかワイヤーを切断する。 - 既存のシフトレバーを外す
ハンドルのグリップを外し、アーレンキーを使用してシフトレバーを外す。
グリップが外れないときはパーツクリーナーをグリップとハンドルの隙間に吹き付ける。 - 新しいシフトレバーを仮止め
アウターケーブルの長さを調整するので、新しいシフトレバーをハンドルに仮止めする。
- アウターケーブルの長さを調整してカット
シフトレバーからフレームにあるアウターケーブル受けまで、アウターケーブルの長さを調整してカットし、切断面は目打ちなどで潰れた穴を整え、切断面はヤスリをかける。 - シフトレバーに差し込む
シフトワイヤーをグリスアップしてアウターケーブルに通し、アウターケーブルはエンドキャップを付けてからシフトレバーにしっかりと差し込む。 - シフトワイヤーをワイヤーガイドに通す
シフトワイヤー をボトムブラケットの下にあるリア用のワイヤーガイドに通す。
ワイヤーガイドは溝ではなくワイヤー通す穴がある。
- アウターケーブルの長さを調整してカット
チェーンステーにあるアウターケーブル受けからリアディレイラーまで、アウターケーブルの長さを調整してカットし、リアディレイラー のアウター受けにシフトワイヤーを通す。 - ディレイラーのトップ側を調整
ガイドプーリーの中央がトップギアの外側にくるよう High ボルトで調整。 - ディレイラーのロー側を調整
プーリーとローギアの中心線が合うように調整。 - シフトワイヤーの張りを調整
ローからトップまで全てのギアに入るようワイヤーの張りを調整し、アジャスターボルトで微調整して完了。