パソコンでの Ultra HD Blu-rayの視聴
4Kテレビの性能と精細さを最大限に発揮できる次世代メディア Ultra HD Blu-ray(UHD Blu-ray)は、通常の Blu-rayドライブや Blu-rayプレーヤーでは再生できず、視聴には UHD Blu-ray専用のプレーヤーが必要で、パソコンの場合は特定の環境下でしか再生できない仕様になっており、最新の環境では Ultra HD Blu-rayは再生できない。
- モニタ : HDCP(著作権保護技術)をサポートした HDMI ポートがあるモニタ
- ケーブル : HDMI 2.0
- ドライブ : HDCPをサポートした UHD BDドライブ
- CPU : Intel SGX をサポートしている Intel 第 7~10 世代の Core i5/i7以降
- マザーボード : Intel SGX をサポートした GPUを搭載
Intel SGXは 2020年にリリースされた 第 11世代 Tiger Lakeからサポートされていないため、最新のインテル CPUを搭載したパソコンでは UHD Blu-rayは再生できず、AMDの CPUを搭載したモデルでは基本的に視聴できない。
AACS2.0の回避
Ultra HD Blu-rayには Blu-rayよりも強固なコピーガード「AACS2.0」で保護されており、AACS2.0のプロテクトを解除するためには Intel SGXとHDCP(著作権保護技術)のサポートが必須で、リッピングソフト DVDFabを開発している中国の Fengtao Software(現 DVDFab Software)は 2016年2月に AACS 2.0をクラックしないと発表。
Fengtao Softwareは 2014年に DMCA ( デジタルミレニアム著作権法 ) に違反するとして AACS LA ( Blu-ray のコピープロテクション AACS を策定した団体 ) から ニューヨーク連邦裁判所に提訴され、dvdfab.com を含むドメイン没収、決済代行会社の連携禁止などの判決が下されている。
ところが Fengtao Softwareは 2018年4月 DVDFab 10の最新バージョンに UHD Blu-rayのコピーとリッピングが可能な「DVDFab UHD Copy」と「DVDFab UHD Ripper」を追加。
DVDFab UHD Copy・DVDFab UHD Ripperを使用する際には DVDFabがサポートしている BDドライブ が必要で、DVDFabは BDドライブのファームウェアをダウングレードするツールも同時にリリースしている。
UHD Friendlyドライブ
DVDFabがサポートしている BDドライブは、LGと ASUSからリリースされている BDXLをサポートした一部のドライブで、これらのモデルはファームウェアの不具合により AACS2.0が機能せず、通常の Blu-rayで使用されている AACS1.0の再生環境で UHD Blu-rayの再生ができるため、パソコンで UHD Blu-rayを視聴する際には必須で、DVDFabや Leawoなどが販売している UHD Blu-rayのリッピングアプリも、AACS2.0を回避できる通称「UHD Friendlyドライブ」が必須になっている。
Amazonで購入できる UHD Friendlyドライブ
LG/ ASUSともにファームウェアの不具合は修正され、現行モデルでは AACS2.0は回避できないが、ファームウェアをダウングレードすることで AACS2.0の回避が可能になる。
Amazonから適正価格で購入できる UHD Friendlyドライブは上記のモデルで、4モデルともファームウェアのダウングレード後に UHD Blu-rayの再生とリッピングできることを確認している。
ASUS BC-12D2HTは BD-R/ BD-REへの書き込みは未サポート。
ファームウェアのダウングレード
ファームウェアのダウングレードは MakeMKVのフォーラムで公開されているフラッシュツールとファームウェアを使用する無料の方法と、DVDFabや Leawoからリリースされている有料の UHDドライブツールを使用する方法がある。
MakeMKVのフォーラムにはオフィシャルのファームウェア(DEファームウェア)と、MakeMKVのフォーラムでカスタマイズされたファームウェア(MKファームウェア)があり、DVDFabを使用する場合は MKファームウェアだと不具合が発生するため、DEファームウェアでダウングレードする。
ただし、DEファームウェアでは BH14NS58 をサポートしていない。
ファームウェアの更新は、最悪の場合ドライブが文鎮化する可能性もあるため、1クリックで更新ができる有料ツールのほうが安心安全だが、MakeMKVのフォーラムのツール自体には問題はない。
UHDドライブツール の単品購入は割高になるため、UHDコピー/ UHDリッピングと セットになったバンドル商品やオールインワンの購入を推奨。